PSO2とプレイ日記をのんびり書いてます。チームメンバーが書くことも

3.初めての遭遇 (双子の星に照らされて)

双子の星に、照らされて
3幕 初めての遭遇


――ダーカー。
人々にとって、いや全宇宙に存在する生命体にとって「敵」。
突如として宇宙に現れ、見境無しに全てを喰らっていく
……ただそれだけの存在。

今、目の前にいる黒い物体も、そのダーカーである。
それは人々が「原生生物」と呼んでいる存在からは、大きく逸脱した姿。
ダカンと名付けられたその種は一見する4足の虫にも見える。
だが獲物を突き刺すために鋭角的に尖った手足に、
捕まえたモノを突き刺して絶命させるためだけに存在する顎の棘。
捕食、というよりは殺戮に特化したフォルムだった。


「ナベリウスには、ダーカーはいないはずじゃなかったの!?」

パティが叫ぶ。
けれどそれがよくなかった。

……ギギィ……


ダカンは声に反応し、躊躇なく飛び上がる。
突然のことに足が竦んで動けないパティ。
ダカンはその鋭い前足を棒立ちの彼女の喉元目がけて飛翔する。

「パティちゃん!」

ティアが叫ぶが、彼女も足が動かなかった。

「ちっ」

咄嗟に飛び出したのはセイ。
手にしたグレイブを薙ぎ払い、跳んできたダカンを吹き飛ばす。

自分の勢いの反発もあってダカンはなす術もなく飛ばされ、岩に激突して落下する。

ギガ…ギ…ギギギ……

しばらくもがいていたが、そのまま脱力したように地面に伏せて動かなくなった。
そして、黒いもやになり離散して消滅する。

「あ……ありがと」

一呼吸置いてから、自分が助けられたのだと気付いたパティは
呆然とセイを見上げる。

対するセイは、今更ながら自分の呼吸が嫌な感じで速くなっているのを自覚した。
体が反射的に動いてくれたから良かったが、頭で考えていた動けなかった。
ダーカーはいるだけで嫌な感じを受ける。
まるで心臓を直接鷲づかみにされるような、本能的な恐怖。

彼は自分自身の心に言い聞かせるように

「はは……なんだ。ダーカーだなんて大層に言ってるが、大したことないな」

軽口を叩いて、グレイブを肩に担ぐ。

けれど、それで終わりなはずがなかった。

「なに二人ともぼーとしてるの!」

ティアが叫ぶ。

「え、だってもうダーカー倒したから……」

「そうだぜ。何も心配することなんてないだろ」

安堵のため息をつく二人に、
唯一事態を正確に把握している少女はもどかしそうに告げる。

「それで終わりなわけないよ!
 ダカンは一匹いたら近くに30匹はいるっていうくらいに、
 群れで行動している種類なんだから!」

まるでその言葉に応えるかのように、周囲に黒いもやのようなモノが出てくる。

「まずい、逃げるぞ!」

「えっ、ちょっと、ちょっと」

既に後退を始めていたティアに続いて、
セイは未だに状況を飲み込めていないパティの手を引いて駆け出す。

後ろから先ほどのダカンが7匹が、そう沸いて出て来たという表現が正しい。
全員が赤い目を光らせて、三人をターゲットにしていた。

走りながらティアは腰につけていた
愛用のタリス「ローザクレイン」を取り出す。
何枚もの羽が集まった翼のような美しい形をした導具である。

「これで……」

大きな羽を一枚抜き、ダーカーの群れに向けて投げる。

「止まれ!」

フォトンが込められた羽から緑色の光があふれ出す。

「ギ・ザン!」

羽を中心にカマイタチが発生する。
渦巻く風はダカンたちを切り裂いていくが、
込められたフォトンの量が十分ではなかったのか致命傷には全く至らない。

「おい、あんなのじゃ倒せないぞ!」

「大丈夫! 倒すことが目的じやないから!」

そう、今いる場所は森の中だ。
カマイタチは周囲の石や砂、そして木の葉を舞い上がらせる。

「ティア、賢い! 目くらましになってるよ!」

けれどこれが一次凌ぎにしかならないことをティアとセイは感じていた。
森全体を覆うような嫌な気配……ダーカーがたったあれだけとは到底思えないからだ。

「で、ちょっとちょっと、セイ!
 いつまで私の手を……」

「その震えを止めてから言ってくれよ! 先輩アークスのパティさん!」

「こ、これは……その! そう、ムシャブルイなんだから!」

「そう言えばパティちゃん、男の人と手を繋ぐのなんて初めてだよね。
 もしかしたらそれで緊張してるのかも」

「ティア、ちょっと!」

少しでも不安が柔らいでくれればと三人は叫びながら森を駆ける。


――けれど事態は、彼らが思っている以上に深刻なことになっていた。


ダーカー
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