PSO2とプレイ日記をのんびり書いてます。チームメンバーが書くことも

2.双子のアークス (双子の星に照らされて)

双子の星に、照らされて
2幕 双子のアークス


「ちょっとそこ行くアークスさん」

場違いな明るい声。
なんとか教官たちと合流しようと彷徨っていたセイは、
人恋しさに聞こえたおかしな幻聴だと思って構わず歩く。

「ああっ! 無視しないで、そうアナタ!」

「ん?」

やっとのことで聞き間違いなどではないと思い振り返ると、

「ふふん、ルーキーさんみたいだしセンパイのあたしが、
 ちょいと助言でもしてあげようか、ってね!」

とてもよく似た顔をした、二人のアークスが立っていた。
まだセイと歳も変わらないであろうニューマンの少女たちで、
揃ってミディアムツインテールの髪型だった。

声をかけてきたのが、緑色のハニージャケットを着た少女。
一目見ただけで元気が有り余っているのだろうなと思わせるハツラツとした表情に、
まるで外で遊びすぎて太陽に焼けたような明るい小麦色の髪色である。
人懐っこい雰囲気は黙っていても伝わってくるだろう。
ちなみに一房の長い前髪は左へ分けている。

「……パティちゃんより全然強そうに見えたけど」

呆れたような口調で呟いたのは、明るい若草色のリトルプリムを着た少女だ。
もう一人と同じ顔立ちだというのに、対照的に落ち着いた表情。
瞳は優しい色をしており、物腰とあわせてもう一人よりは少し大人びた印象を受ける。
丁寧に梳かれている栗色の髪も、まだ出会ったばかりだというのに、
「彼女らしい」と何故か思ってしまう。
一房の長い前髪は先ほどの少女とは逆の右へ分けていた。

「うるっさい! アークスに必要なのは実力じやないの!
 知識と情報なの! ね、アナタもそう思うよね?」

パティと呼ばれた少女慌てたように叫ぶ。
それに対してセイはどう対応したものかと、ため息をつきながら答える。

「実力も知識も情報も、全部必要だと思うけどな」

「私もこの人の言う通りだと思うよ、パティちゃん」

「ティア!」

随分と二人は仲が良いようだ。

「ってあれ? その制服、アナタまだ研修生だよね」

「そうだよ。そういうアンタたちは?
 一応、アークスみたいだけど」

問い掛けると、パティはふふんと得意気に胸をそらして名乗る。

「一応も何も、アークスで一番の情報屋のパティちゃんを知らないなんてね。
 まあ、研修生クンだから仕方ないよね」

身長の割に随分と発育の良い胸が少し揺れたので、セイは思わず目を逸らした。
するともう一人と目があう。

「……ごめんなさい。
 さっきから、不出来な姉がぴーちくぱーちくうるさくて」

どうやら双子のアークスらしい。
妹は姉と違い、態度も胸も慎ましいものだった。

「私はティア。こっちの頭の悪そうな姉がパティ」

そこで「伝聞情報を垂れ流すだけの頭でっかちさんなので放っておいてあげて」と
付け加えてから自己紹介を続ける。

「私たちは二人で『パティエンティア』ってチームを組んで活動している……
 そうだね、まだまだ駆け出しアークスなの」

妹は少し苦笑いして

「私たちも終了試験終えてからそこまで日が経ってないから、
 アナタとそう変わらないの」

「ちょっとティア!
 私たちももうベテランアークスだよ!」

抗議する姉にハイハイと妹は肩をすくめる。

「俺はセイ。
 今はアークス研修の終了試験の最中なんだけどさ。
 迷……いや、みんなとはぐれてしまって、それで合流しようとしてる最中だ」

一瞬迷子といいそうになって慌てて言い直したけれど、
パティは意地悪そうに笑いながら、

「ねえ、聞いたティア。終了試験で迷子だってさ」

「あー、もうパティちゃん。本人も気にしてるんだろうから言わないであげないと」

気遣うようなティアの台詞にセイは大分ぐざっときたが、
ムキになるとパティが喜びそうだから黙っていた。

「それじゃあ、仕方ないなあ。
 このセンパイアークスのアタシたちがエスコートしてあげるよ♪
 わからないことはなんでもこのパティちゃんが教えてるよ」

腰に手を当てて、また胸をそらして「ふふん」と彼女は告げた。
目のやり場に困ったセイがどうしたものかと明後日の方向を見ると、

「あっ」

思わず呟く。
ティアもセイの視線の先を追って

「えっ」

信じられないといった表情を浮かべた。

そんな二人の様子に気付かないパティは指先をぴんと立てて

「まず、あたしたちアークスが気をつけなきゃいけないのはダーカーよね!」

まるで不出来な生徒に教えるような感じで聞かれてもないことを話し出す。

「めっちゃこっち狙ってくるし原生生物の凶暴性も上げてくるし
 放っておいたらタイヘンよ!」

セイとティアはゆっくりと顔を見合わせる。

「ここナベリウスは幸いにもダーカーはいないし、
 それに原生生物があんまり強くないからまだいいけど他の惑星に……」

そこでやっと、二人の様子に気付いたようだ。

「なあ、そのな……」

セイが指差す。

パティがゆっくりとその先へと視線を向けていき、

「……ぁぁ」

そして、そこにいた存在の名前を呟いた。


「――ダーカー」



ティアパティ1
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